ブルース・ジャム:言葉はいらない、とりあえずギターを弾け!

ひらのたけし自伝

こんにちはひらのたけしです。

憧れのバンドに入るためにメルボルンへ来たときの話です。「どこでもいいいからギターを演奏する場所はないかな?」と思っていたら、現地で知り合った日本人から「ブルースセッションできるパブがあるよ」と教えてもらいました。

場所は、フィッツロイにあるレインボーホテル。毎週水曜日の夜19時にセッションやっていて、誰でも演奏可能。英語は話せないけど、これは行くしかないと思い1人で乗り込むことに。

英語が話せなくても、ギター弾けるから問題なし精神

渡豪し数週間で見つけた演奏できる場所。完全アウェイな空気の中で演奏できることが最高に楽しみだったのを覚えています。

実際にパブへ行きどんなシステムでセッションが始まるのかわからなかったですが、英語が話せなくてもギターさえ持っていけば「演奏者」と伝わるだろと思い、パブに入店。

入店時間は19時、客層はかなり高め、渋めのおじさま、おばさまが多かったです。楕円形にバーカンターが設置されていて、その奥にステージがありました。

ギター担いでステージへ近づくと、優しそうなおじさんが「you play tonite」と声をかけてくれました。ぼくは「Yes」と答えると、おじさんは壁にかかったホワイトボードを指差しました。

ホワイトボードには、各楽器のパート名が書かれ、その下に演奏者の名前を記入する仕組み。ぼくは指示通り、ギター欄に名前を書き込みました。

ぼくが来たときには既に10人程のミュージシャンがステージ付近で楽器の用意をしていました。知ってる人がいない中で、言葉もおぼつかない状況が堪らなく興奮していたのを覚えています。

心で念じていた事は「目にもの見せてやる」と、尖った気持ちでした。

メルボルンの地でオレのBluseを叩き込む

演奏時間になったらしく、ホワイトボードに書かれた名前を大柄なおばさんが読み上げ始めました。いきなりぼくの名前が呼ばれたらどうしようかとドキドキしていたけど、1回目は呼ばれず。

呼ばれた人たちはステージへ行き、演奏がスタート。初のジャムセッション。やはり演奏前の曲のやりとりが短く、スリリングな感じが堪らない。

さっきの大柄のおばちゃんはボーカリストで、めちゃ雰囲気ある声で体を揺さぶりながら歌ってました。なりきるってほんとうに凄いなと思う。海外でセッションしてる。って感じが出てて笑っちゃったw。日本人は演奏は上手だけど、視覚的な部分でこじんまり収まるんですよね。

選ばれた人たちは2~3曲演奏して、次のグループへ交代。すると。誰かがぼくの名前を連呼している。「Takeshi Takeshi!」ついに来た。

ギターを担いでステージへ行くと、ドラマーの人に「アンプがいるから誰かに借りろ」と言われ、ぼくは数台のアンプを指差し「this is ok?」と聞くと、所有者の渋いおじさま達は一斉に「no」と言う。

めちゃ困った顔でモジモジしていると、日系人の体格のいいお兄さんが「OK OK」と合図をくれた。アンプをステージまで運び、簡単にセッティングを済ませると、大柄なボーカルのおばさんが耳元で、曲のキーとコード進行を教えてくれた。そしてドラムのカウントが始まり、速攻曲が始まった。

一緒に演奏した人に常連っぽいギタリストのおじさんがいて、ある程度リードしてくれた。曲が一回りすると、すこしリラックスできた。ステージから眺めるバーカウンターと外国人ばかりのお客さんを眺めて、なぜかニヤニヤしてしまったw。

そうこうしている間に、ギターソロが回って来た。得意のブルースギターソロだ。オージー(オーストラリア人)に目にもの見してやると思っていたので、ぼくは気持ちにブーストをかけた。

 

前半のソロはゆったりしたコテコテブルースの雰囲気を入れつつ、後半のソロはドライブ感あふれるフレーズでグイグイ盛り上げていく。あの時自分が奏でていた音が今でも不思議なぐらい理想のサウンドだったのを今でも記憶している。

借りたアンプ(ミュージックマン)の音が人生で一番気持ちいい音がした。そして、オーストラリアの電圧は日本より高いので音がこんなに違うのかと、自分のサウンドにびっくり。

ブルーズを2曲ほど演奏し、ぼくの出番は終了。演奏後はお客さんや演者の人たちは親指を立てて「good」と言ってくれたり、握手してくれた。ぼくが言えることは「thank you」だけだったけど、ぼくと言う存在を主張できて楽しかった。

英語が話せないけど、なにか自分が持てるもので、自信をもって自分を表現することができたことを実感できる夜でした。

つづく

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